冬間近、紅葉はきれいに色づいたが曇天の11月23日午後、恒例の築地はしご酒2025が開催された。いつもは土曜午後だが、今年は3連休の真ん中ということもあり変則的な日曜開催だった。

今年の出店は50店、店選びのわたしの基準は、まだ行ったことのない店を優先することだ。このイベントでは、原則として酒500円、つまみ500円のメニューが最低1品用意してあるはずなので、この機会に未知の店の様子を見に行こうというわけだ。すると候補店が2割くらい落とせる。いままで6回参加したはずなのでもう少し多くてもよいはずなのだが、なかには廃業する店や1年でイベント参加をやめる店もあるからだ。近年ではコロナ禍の影響が大きい。
もうひとつ選択基準がある。築地といっても店は南北500m、東西500mくらいのエリアに散在する。移動に時間を取られないよう地図をながめ、訪問順路も考えながら候補を絞る。

最初に入ったのは、築地4丁目の交差点にある8階建てのKYビル1階の立ち呑み大東、20席くらいの大きさの立飲み店だ。まず気づいたのは外人客の多さだった。だが15分ほどして判明したのは10人ほどが退店し、大型グループ観光客だったことがわかった。U字型カウンターの、普通はスタッフの方が入る真ん中の通路にまで客が入り込んでいたのでいっそう混雑しているように見えたのだった。
日本酒が650-940円と高めだった。わたしは谷川岳のぬる燗にした。もちろん群馬と新潟の上越国境の谷川岳から取った名前だろう。群馬県川場村の永井酒造という創業139年の蔵元の製品だ。爽やかそうな名前なので選んだのだが、もしかすると冷やで飲むべき酒だったのかもしれない。なお出てきたお銚子は白雪のもの。おそらく白雪がこの店のメイン酒なのだろう。

つまみは、はしご酒特別メニューのなかでいちばん安い「海のジャーキー」、名前に惹かれたからだ。内容は、たこ干しとかつおのスライス、つまり乾き物だったので少しがっかりした。あとでよくみると、通常メニューに300円程度のものもあるのを発見し、失敗したと思った。
壁面の棚に、椎茸、日高昆布などが値札付きで置いてあるのを発見した。じつは日中は創業100年の乾物屋なのだそうだ。だから乾き物のつまみを置いているのだろう。発祥は日本橋らしい。
このビル1階には大東のほか地下の粋、The Dashi Standなど合計4店がはしご酒のイベントに参加している。それなのにトイレは2階の有料トイレしかないという。これは問題だと思った。
2軒目は、うにLABO丸集。
築地の店は、食べログの「予算」で7000円くらいの店が多めでわたしには高額なので、今後おそらく入れそうもない店をこの機会に雰囲気や内装だけでもみておこうと、1店候補に入れるようにしている。この店は1万5000円から2万円のランクにある。うにがメインならそういうことになるのだろう。
うにと名付けられているので、すぐ売切れ閉店になるのではないか心配したが、狭い店なのにそれほどの客は押しかけていなかった。600円でちゃんとスプーン1杯(15g分)のうにを出してくれた。もちろんもっと高い、たとえば1800円のうにもあった。みな満足そうに食べていた。

併せて飲んだ酒は東広島安芸津町・今田酒造本店の海風土(シーフード)という酒、店のスタッフの解説ではさわやかとのことだったが、日本酒というよりむしろスパークリング・ワインに近いように感じた。うにとの飲み合わせにはよいのかもしれない。
壁に北海道の大きな地図が貼ってある。蠣も産地で違いがあるように、うにも利尻、天売、小樽、積丹、襟裳、野付などで違いがあるようで「うにの旬は反時計回り」(春→夏→秋→冬の順)と書かれていた。
最後に行ったのはしずく。うにLABO丸集から40mくらいのビルの1階にある。ふだんはランチのみ11-14時営業だが、おかみさんが日本酒好きではしご酒イベントに協力しているとのこと。とくに好きなのは高知県佐川の酒・司牡丹、たしかに各種そろえていた。この日は甘楽(かんら)があるといわれた。群馬の酒で友人が蔵元の近く在住という縁で扱っているとのこと。わたしは名前も聞いたことのない珍しい酒なので注文した。群馬県甘楽町・聖徳銘醸の酒だ。スッキリしている印象だった。
つまみは、「京風だし巻き卵 本鮪しぐれ煮のせ」「かつお梅きゅうり」「ねぎ塩とろレバー」など6種あり、なかから「丸山海苔 サーモンロール」を選んだ。たぶんサーモン料理だろうがいったい海苔をどう組み合わせるのかと思った。出てきたのはサーモンの海苔巻きでマヨネーズがかかっている。味もよく食べ答えもあり、この日のつまみのなかで、大当たりだった。

なお丸山海苔店もこの界隈にある会社だが、こういうコラボの仕方があるのだと気づかされた。
メニューをみるとランチ1400-1500円とやや高めだが、きっとおいしくリーズナブルないい店なのだと思う。なお場外市場は、観光客向けの寿司や丼物が多く、ランチでも3000-4000円の価格の店が多いので、この値段ならリーズナブルどころか低価格くらいだ。
もう一軒寄ろうか少し迷ったが、しずくで大満足したので、今年はこれで切り上げることにした。
☆このイベントには、1軒目に入った店のみ、年明け3月末までワンドリンクサービスというおまけが付いている。今年は大東だった。2回目は身欠きにしん焼き(600)をつまみに注文した。これがじつに焼き方がうまく表も裏も全体がすべて平均に焼けている。みごとな技だと思った。添えてある大根おろしまでおいしく感じた。きっとどこかの料亭で日本料理の修行をきちんとされたのだろう。
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